令和三年 上半期の展望

新年明けましておめでとうございます。
新型コロナ感染症がさらに勢いを増している正月です。

今年は辛丑(かのとうし)。
辛を乗り越え新しい息吹を吹き振らしめたるも、牛の歩みのごとく徐々に進む年。それが令和三年の干支だそうです。

年初に当たり、この令和三年上半期に予定されていること、見越されることを記していきたいと思います。

ワクチン〜待望のワクチン接種も前途多難?

新型コロナウイルス感染症対策として、世界中で待望されているワクチン。現在日本ではファイザー社とアストラゼネカ社の2種類のワクチンが展開される予定です。
3月上旬にはワクチン接種が日本でも始まる、とされていますが、しかし管理上の問題(保存温度、流通、使用期限)などの問題もあり、そう簡単には進まないことが見越されます。

現在、考えうる困難な状況は以下の通りです。

・町の医院で接種可能なのか、大規模の病院のみとなるのか

現在、上記の種類のうちどちらがどこへいつ展開されるのか、まだ自治体へ知らされていません。一方は−70度で管理が必要なワクチン、とも言われています。それだけの品質管理がすべての医院で可能なのでしょうか。

・65歳以上の板橋区民だけで約15万人

また現在の医療体制を維持しつつ、別途ワクチン接種を行うとしても1日に1施設10名×区内100施設で行ったとして月に3万人。65歳以上の板橋区民は約15万人なので、それだけで全員が接種するのに5ヶ月かかってしまう計算です。任意の摂取なので全員が望むものではないにせよ、希望者へ早急に行き渡るのでしょうか。

・板橋区では接種のシステム準備に数億円規模の予算が必要

ワクチン接種の通知・予約・コールセンター諸々は市区町村の業務です。入札なので具体的な数字は控えますが、数億円規模の予算が必要であり、例え国費で出るとしても実際の事務作業は板橋区職員。定額給付金の「数十名が徹夜で数十日」みたいなことになりかねません。

じゃあ、どうしたらよいのか?
ワクチンに対して、「副作用?」「効果なし?」「自民党国会議員でもワクチンに懐疑的?(ふざけるなコラ)」などと様々な記事が飛び交うのが残念ながら現実です。
しかし、どうかワクチンを接種できる方から順番に、早急に受けていただきたいと思います。私からの切なる願いです。

更なる感染者数増加〜緊急事態宣言ふたたび?

上半期の暗い展望ばかりがまだまだ続きますが、もうしばらくお付き合いください。

ワクチン接種が始まる3月初旬を待てず、そもそもこの年末年始で新規感染者はさらに増加し続けています。いくら政府が1月11日まで自粛せよ、と言ったところでもはや自粛疲れや経済疲弊している多くの方々が従うのでしょうか。国や自民党政調会は強制力(罰則)を用いた対応、と言っているようです。しかし罰則ありとなしとで、効果に差がないことはすでにいくつかの研究で立証済みです。私は政府の対応が正しいとは思いませんし、都庁で都知事に対して「罰則規定に反対する」とした都議会自民党の対応は正しいと思います。

経済の停滞 景気の低迷と生活苦による自殺者増加?

新型コロナによる国内の死者は現在、約3500人。
悲しい話ですが、リーマンショックの際や東日本大震災の際、日本国内の自殺者は総じて約3,000人〜4,000人ほど増加してしまった、と見られています。
令和元年の自殺者は約20,000人。
不景気な時期ほど自殺者は増加しており、また、すでに女性の自殺率がこの秋より急上昇してしまっている、という話もあります。
このような悲しいことは絶対に避けなければなりません。
様々な状況があるにせよ、まず一義的には収入源から派生する自殺を食い止めるべく、大雑把な給付や助成金対象の設定でなくて決めの細かいピンポイントで一人一人と繋がり結びつく支援体制の確立が必要です。
これは、自治体や議員の仕事だと思います。

東京オリパラ 開催されるのか否か

すべての外国からの日本国内への渡航・入国が現在停止されています。たった半年後にこれをすべて解除して全世界からの選手団を招き入れスポーツの祭典を開催することは可能なのでしょうか。
可能にすべくできる限りの努力をし、推移を見守るしかない状況ですが、開催or不開催の最終判断の公表は遅れているようです。
オリンピック憲章の「スポーツを通した生き方の哲学」を今後百年通用するものに、東京五輪をきっかけに考える。問題提起をしていきたいと思います。

日常生活への復帰 新しい生活?元の生活?

発生から1年経ったいまでも、日常生活や通常の文化活動は取り戻せていません。特に町場や地域の地道な文化活動や伝統芸能はほぼ停止中です。
まったく同じ元の生活に戻る、ということは良い意味でも悪い意味でも無いとは思いますが、このままの状況が続いた場合「ニューノーマル」として創造していく新しい文化に隠れて、「二度と取り戻せない文化活動」が消え続けているのでは無いでしょうか。
「支援がなければ残らない文化など滅びてしまえ」と、自らの伝統芸能にハッパをかけたこともありましたが、まさに滅びゆく寸前、風前の灯に対してこればっかりは苦悩の日々です。

選挙〜東京都議会議員選挙・衆議院議員選挙・自民党総裁選挙

そんな状況下にあっても、東京都議会議員選挙・衆議院議員選挙・そして自民党総裁選挙は必ず実施されます(自民党総裁選挙は無投票ということはあり得ます)。
「今の生活苦じゃ、選挙どころじゃない!」というお声がどんなにあっても、必ず上記の選挙はやってきます。

約100年前のスペイン風邪は第1次世界大戦を終わらせた、とも言われていますが、同時にその後の世界中の更なる大混乱を招いたとも見られています。

この状況下で、いかに政治の力によって社会を国をまちを生活を安定させ、安心をもたらし、社会をふたたび豊かに導くのか。
政治の力が試されています。

国家百年の計と言います。
斯様な状況下にあってこそ、私たちは下を向かず、前を向き、牛の歩であろうとも進み続けなければなりません。
くしくも、私の日記には『禹歩の歩』という名前をつけています。
禹歩のごとく、確りと導いて参る所存です。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。